悩みから引く

腰痛ようつう

定義

「腰痛」とは、腰の重さ・こわばり・痛みの総称。国の調査で日本人がもっとも多く訴える自覚症状です。東洋医学では腰は「腎の府(じんのふ)」と呼ばれ、冷えや、気血のめぐりの滞りと関わりが深いと考えられてきました。

やさしい解説

座りっぱなしのデスクワーク、立ちっぱなしの家事、抱っこ、荷物。厚生労働省の国民生活基礎調査(令和4年)では、腰痛は男女ともに自覚症状の第1位でした。それほどありふれていて、それほど放置されている悩みです。

意外に思われがちですが、慢性の腰の重さの多くは「動かしすぎ」より「同じ姿勢の続けすぎ」から生まれます。かばって動かさないでいると、めぐりはさらに滞る。安静のしすぎが回復を遅らせることは、現代の知見でも指摘されています。

東洋医学では、こう考える

東洋医学の古典は「腰は腎の府」——腰は「腎」の力が宿る場所——と記してきました(五臓)。腎は成長や生命力のたくわえを指すことばで、腰の弱りは、からだの土台の消耗のサインとみなされてきたのです。

もうひとつの見方が「不通則痛(ふつうそくつう)」——通じざれば、すなわち痛む。冷えや長い同一姿勢で気血の通りが滞ると、重さやこわばりになるという考え方です。だから伝統的な手当ては、温めること・動かすことの二本立てでした。

今日からできる、ひとつ。

1時間にいちど立ち上がって、腰を左右にゆっくり10回ひねる。

かたまってから伸ばすより、かたまる前に動かす。椅子から立つこと自体が、腰の養生です。

よくある質問

腰痛は温めるべきですか、冷やすべきですか?

慢性の重さ・こわばりは温める、ぎっくり腰のような急な強い痛みは無理に温めず安静に、が昔からの目安です。判断に迷う痛みは整形外科で確認してください。

どんな腰痛なら、すぐ受診すべきですか?

足のしびれや力の入りにくさを伴うもの、安静にしていても痛むもの、発熱や体重減少を伴うものは、別の病気が隠れていることがあります。早めに整形外科などの医療機関にご相談ください。

出典・参考文献

  • 『黄帝内経 素問』(東洋医学の古典)
  • 東洋療法学校協会 編『東洋医学概論』医道の日本社
  • 厚生労働省「令和4年 国民生活基礎調査」

本項は一般的な養生の知識をまとめたものであり、診断・治療に代わるものではありません。つらい症状が続くときは、医療機関にご相談ください。
最終更新:2026年7月16日

腰からの便りを、読むことから。

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