養生法から引く
お灸
定義
「お灸」とは、よもぎの葉から作られる「もぐさ」を燃やし、その熱でツボ(経穴)を温める伝統的な養生法。数千年にわたり受け継がれ、いまは家庭で使える台座つきのお灸も広く普及しています。
一
やさしい解説
「お灸=熱い、痕が残る」は、昔のイメージです。いまの家庭用のお灸は台座つきで、じんわりと心地よい温かさが数分つづきます。
松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅立ちに「三里に灸すうるより」と書いたように、お灸は長く、旅人や生活者のあたりまえのセルフケアでした。特別な治療ではなく、暮らしの道具だったのです。
二
東洋医学では、こう考える
東洋医学では、からだには気血の通り道「経絡(けいらく)」があり、その上の要所が「経穴(けいけつ)」——いわゆるツボと考えられてきました。お灸は、ツボを温めることで気血のめぐりをととのえる方法とされます。
材料のもぐさは、よもぎの葉の裏の綿毛を精製したもの。古くから親しまれてきたツボには、足三里(あしさんり)、三陰交(さんいんこう)、合谷(ごうこく)などがあります。鍼灸師による施術と、家庭でのセルフ灸。ふたつの入口があります。
三
今日からできる、ひとつ。
今夜、「足三里」を探してみる。
膝のお皿の外側、指4本分下。押すと少し響くところ。場所を知ることが、お灸の第一歩です。問
よくある質問
お灸は、自分でやっても大丈夫ですか?
台座つきの家庭用のお灸は、説明書に従えば家庭で使えるように作られています。ただし、熱さを我慢しない・同じ場所に続けてすえない・低温やけどに注意する——が原則です。妊娠中の方、皮膚の弱い方、持病のある方は、事前に鍼灸師などの専門家にご相談ください。
ツボの場所が合っているか、不安です。
厳密な一点でなくても、その周辺を温めることに意味があるとされています。押してみて心地よく響く場所を選び、痛みや強い刺激のある場所は避けてください。
出典・参考文献
- 『黄帝内経 霊枢』(経絡・経穴の古典)
- 東洋療法学校協会 編『東洋医学概論』医道の日本社
- 松尾芭蕉『おくのほそ道』
本項は一般的な養生の知識をまとめたものであり、診断・治療に代わるものではありません。つらい症状が続くときは、医療機関にご相談ください。
最終更新:2026年7月14日