一日目名前を知る。
なんとなくだるい。眠りが浅い。夕方になると、足が冷たい。 でも健康診断は「異常なし」。——そういう状態に、東洋医学は二千年前から名前をつけていました。 未病(みびょう)。病気ではないけれど、健康ともいいきれない、その間。
名前がないうちは、「気のせい」です。我慢するしかありません。 でも名前がつくと、それは「手当てのできるもの」に変わります。
名前がつくと、
手当てができる。
一日目にやることは、ひとつだけ。今夜、寝る前に一言、今日のからだをメモしてください。 「足が冷えた」「今日はよく眠れそう」。それだけです。 養生は、観察から始まります。
二日目地図を持つ。
昨日のメモを、見てください。冷え、だるさ、むくみ——ばらばらに見えるサインを、 一枚の地図に置くためのことばが、気血水(きけつすい)です。
気は、元気ややる気のもと。血は、栄養を運ぶ働き。水は、うるおいのめぐり。 たとえば疲れやすいのは気が少なめのサイン、夕方のむくみは水が滞りぎみのサイン——と考えられてきました。
二日目にやることも、ひとつだけ。今日の自分を、気・血・水で一行メモ。 「気=少なめ。水=滞りぎみ。」正解はいりません。 地図は、使ううちに読めるようになります。
三日目ひとつだけ、変える。
三日目は、いよいよ手当てです。ただし、ここでこの入門はいちばん大事なことを言います。 全部、やらないでください。
白湯も、湯船も、早寝も、深呼吸も、ぜんぶ正しい。でも、ぜんぶやろうとすると、三日で終わります。 養生が続かない理由は、いつも「がんばりすぎ」です。
ひとつだけなら、
続きます。
朝いちばんの一杯を白湯に変える。 眠る前に、4秒吸って8秒吐く呼吸を5回。 どちらか、ひとつ。あなたのメモに「冷え」ということばが多かったなら白湯を、 「考えごと」が多かったなら呼吸を。
三日間、おつかれさまでした。ここから先は、この研究室が辞典としてお手伝いします。 気になったことばを、そのつど引いてください。