悩みから引く
気象病
定義
「気象病」とは、雨の前の頭痛、台風の日のだるさ、梅雨の重さなど、気圧や湿度の変化にともなって現れる不調の通称。痛みが主なものは「天気痛」とも呼ばれます。東洋医学では「湿邪(しつじゃ)」ということばで、天気とからだの関係を古くから観察してきました。
一
やさしい解説
「雨の日に頭が痛くなるなんて、気のせいでしょう」。長くそう言われてきた不調に、いまは気象病・天気痛という名前がつき、外来を設ける医療機関も出てきました。名前がつくと、対策が立てられるようになります。
気象病のいちばんの特徴は、予報が使えることです。いつ来るかわからない不調と違って、気圧の変化は天気予報でわかります。「低気圧が来る前日に、先回りして休む・温める」——予報を養生の道具に変えられるのです。
二
東洋医学では、こう考える
東洋医学は、からだに影響する気候の要素を「六淫(りくいん)」と呼び、なかでも湿気の影響を「湿邪」と名づけてきました。湿邪は重く、停滞する性質があるとされ、頭の重さ・からだのだるさ・むくみとして表れると観察されてきました(気血水の「水滞」とも重なる見方です)。
現代では、気圧の変化を内耳が感じ取り、自律神経のバランスに影響するという研究が進んでいます。伝統の知恵と現代の研究が、同じ現象を別のことばで指している例のひとつです。手当ての方向は、水はけとめぐり——動くこと、温めること、季節に暮らしを沿わせることです。
三
今日からできる、ひとつ。
天気予報で低気圧が近づく前日の夜は、湯船に10分。
崩れてから対処するより、先回りして温めてめぐらせる。予報は、養生の道具になります。問
よくある質問
気象病は、病院で診てもらえますか?
頭痛外来や「天気痛外来」など、気象と不調の関係を扱う医療機関が増えています。頭痛やめまいが強い場合は、まずそれぞれの症状の科(頭痛外来・耳鼻科など)で相談してください。
気象病は予防できますか?
気圧の変化そのものは避けられませんが、睡眠をととのえる・耳のまわりを温めてめぐりを助ける・気圧予報アプリで先回りして休む、といったセルフケアが知られています。効果には個人差があります。
出典・参考文献
- 『黄帝内経 素問』(東洋医学の古典)
- 東洋療法学校協会 編『東洋医学概論』医道の日本社
- 日本頭痛学会 一般向け情報
本項は一般的な養生の知識をまとめたものであり、診断・治療に代わるものではありません。つらい症状が続くときは、医療機関にご相談ください。
最終更新:2026年7月16日